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ナサレの川

  • 公開日 2020.07.20
  • 視聴回数 278回
  • 01音楽
ナサレの川
 作詞&作曲  新谷祥子

東京に住みながら、故郷を想う時、盆や祭りが目に浮かぶ。自粛中に書いた歌の一つ、「ナサレの川」は内なる抒情詩になった。書くうちに、盆の夕べになると化粧装い流し踊りに加わる女たちの姿がよみがえった。踊る人も見る人も無言だ。女の腕が右に左に前に後ろにと優しく動く。静かな盆踊り。幼い唇には「ナニャドナサレノ〜」と繰り返すそのナニャドが難しくて言えなかった。ナサレだけが耳に聞き拾えた。
遠くなった日々を「過去」とは呼ぶが、心の中に蘇る想いがあるならばそれは過去から連なる「今に在る」風景だ。花籠は幼かった母が川面で摘んだ花の藁灯籠かも知れず。ナサレ〜ナサレ〜と、それは形を壊しながら成しながら、右へ左へと流れていく。〜母へ捧ぐ〜

新谷祥子

マリンバ シンガーソングライター。80年代より打楽器奏者として活動し、ジャンルをこえて多くのアーティストと共演を重ねている。近年はマリンバを弾きながら歌うライブ活動を主軸とし、自作曲でのアルバムは4枚目となる。北村想戯曲朗読劇の音楽制作、寺山修司音楽祭、自作のマリンバシアターなど創作活動は多岐にわたる。絵本翻訳「こわす」「たてる」(福音館書店)を手がける。東京在住。青森県文化賞受賞。